たとえどんなに過酷な境遇に置かれても、明るい未来を信じて誠実にがんばれば、きっと幸せがやってくる。そんな普遍的なメッセージが人々の胸を打ち、世界中で愛されてきた19世紀フランス児童文学の名作「家なき子」。この作品をフランスで完全実写映画化した『家なき子 希望の歌声』が、ついに日本へ上陸する!
11歳の少年レミは、田舎の農村で優しいママと貧しいながらも幸せに暮らしていた。ところがその家に、長い間パリへ出稼ぎに出ていたバルブランが帰ってきたところから、レミの運命が急変する。バルブランはレミに「お前は10年前にパリで、高級な産着にくるまれ捨てられていた赤ん坊だ」と告げ、旅回りの老芸人、ヴィタリスに売り飛ばしてしまう。だが、情の深い親方ヴィタリスに歌の才能を見いだされ、犬のカピ、猿のジョリクールと親交を深めながら、懸命に旅を続けるレミ。さまざまな出会いや困難が渦巻く冒険の果てに、レミを待ち受けていた運命とは……?
11歳の少年レミは、田舎の農村で優しいママと貧しいながらも幸せに暮らしていた。ところがその家に、長い間パリへ出稼ぎに出ていたバルブランが帰ってきたところから、レミの運命が急変する。バルブランはレミに「お前は10年前にパリで、高級な産着にくるまれ捨てられていた赤ん坊だ」と告げ、旅回りの老芸人、ヴィタリスに売り飛ばしてしまう。だが、情の深い親方ヴィタリスに歌の才能を見いだされ、犬のカピ、猿のジョリクールと親交を深めながら、懸命に旅を続けるレミ。さまざまな出会いや困難が渦巻く冒険の果てに、レミを待ち受けていた運命とは……?
フランスの作家、エクトール・アンリ・マロが1878年に発表した原作は、日本でも3度にわたりアニメ化され、親しまれてきた。この物語を今回、現代にも共感を呼ぶ感動のドラマとして再生したのは、フランスの気鋭、アントワーヌ・ブロシエ監督。彼は、とくに物語における“心の絆”、“信じること、信じ合うことの大切さ”に着目。作品に深みをもたらすとともに、子ども時代のキラキラした夢やときめきを感じさせ、子どもたちはもちろん、大人の心をもがっちり掴む。また、レミに歌い手としての天賦の才を与えたことで、原作にはなかった音楽の力を存分に発揮。澄みきったレミの歌声と豊かな音楽性が、物語をよりドラマティックに彩っている。さらに、レミが幼少期を過ごした村や、一座と旅するフランスの美しい風景を壮大なロケーション撮影で表現。シネマスコープの大画面で堪能できることも大きな魅力だ。波瀾万丈の冒険にハラハラしつつ、人と人との心の通い合い、胸を締めつける別れと出会い、レミの奮闘と温かい結末には、きっと涙を誘われずにはいられないだろう。
そして注目すべきは、まさに完璧と言うべきキャストの豪華さだ。ショッキングな事態に見舞われながらも前向きに歩んでいく少年レミには、オーディションで見いだされたマロム・パキン。撮影当時11歳だった彼はもちろん美しい歌声も披露。そのけなげさと勇敢さ、無垢なかわいらしさは観る者を魅了する。レミを導くヴィタリスには、『愛と宿命の泉』『メルシィ!人生』のフランスを代表する俳優、ダニエル・オートゥイユ。レミの育ての親、バルブラン夫人には『スイミング・プール』のリュデュヴィーヌ・サニエ。レミの人生に影響を与えるハーパー夫人には、『ザ・ビーチ』のヴィルジニー・ルドワイヤン。少年時代を回想する老いたレミ役には、『ニュー・シネマ・パラダイス』のジャック・ペランがあたり、味わい深い演技を見せている。レミと友情を育む忠犬カピ、キュートな猿のジョリクール役で、サーカスで芸の訓練を受けたボーダーコリーのダークネスとタレントとしての経験豊富なオマキザルのティトが見せるエモーショナルな名演も、忘れがたいアクセントになっている。

ひたむきに生きる少年の姿は
かつてこどもだったすべての人に
たくさんの感動を与えるだろう。